畳表生産時の使用農薬について
い草生産時に使用する農薬の安全性の見分け方 協力 JA八代千丁支所い業部
現在減農薬で、い草生産を行っている農家は多くなっていますが、農薬の安全基準が分からず、どの表を選んで良いのか分かりませんでした、それに農薬を減らしても危険度の高いものを使用されては意味が無いので、農薬についての知識向上の為に、生産地の農協に行ってきました。

状況
農薬は国が定めた基準があり安全性は3ランクに分かれ安全性の高いAからABCと成っている。今回協力頂いたJA八代千丁支所によると、国内の8割の生産を占める八代地方は独自の基準が有り、国の基準より高く設定されABランクの中で限定されている。
限定された背景には、漁業協同組合との協議が有り、限定以外の農薬は使用不可能と成っている。

畳表の農薬には使用目的が2つに分類される 雑草対策
病害虫対策

雑草対策
雑草対策は何故必要なのでしょうか?
雑草は栄養分を吸収するだけでなく、い草の成長に必要な光を邪魔をする為、成長不足や根白に影響を及ぼします。特に網掛け後は田に人間は入り難く人力では不可能です。
(人力で除草する農家は網掛け前に行っておられます。)
農協での説明では植付け直後に行う除草剤は新芽を出させない抑制剤で品名モーダウン粒材をまきます。この新芽抑制剤は残留性は無く残留性が有れば畳表にするい草の新芽も抑制し発育出来なくなるそうです。
この植付け直後の新芽抑制剤の効目が高ければこの後の除草剤も少なく済むそうです。
散布時期と農薬の品名に使用濃度については表をご覧下さい。
病害虫対策
い草の病害虫は、い草芯虫蛾と紋枯病ですが紋枯病は地域が限られており、ここではい草芯虫蛾についてお話いたします。
い草芯虫蛾は名前の通りい草の芯に幼虫が入り込み枯らしたり致します。この幼虫はい草の根元(はかま)付近から入り込み蝕みます。産地では時期になると農協の車が芯虫蛾の防除を呼びかけ一斉に防除されています。ここで問題なのが防除されない農家の畑や野生のい草に虫が集まり、その虫で回りの防除済みの田のい草にも被害が出る事も有るようです、実際に芯虫蛾に食われたい草を見ましたが畳の表には使用出来そうに有りません。一部の農家では天敵のクモを利用し防除されている農家も有るようです。
今後の期待
現在検討中とは言われていましたが、メスのフェロモンを使用しオスを集め交尾を少なくし発生を押える計画が有るとお聞きいたしました、早急な研究と実現を期待いたします。
散布時期と農薬の品名に使用濃度については表をご覧下さい。


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